Archive for 2月, 2002
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飛べないアホウドリ
一日に百通単位でメール見てる。今日びは珍しくもない光景だけれども、それに加えてメールニュースが数十通届く。当然全部読めるわけないので自然と特定のメールニュースだけを読むようになる。【POST HOTWIRED JAPAN http://www.hotwired.co.jp/】はその中でもクオリティが高いし分量も手頃なので愛読しているが、その中にこんな記事があった。
【WHAT HE SAID – NEWS WATCHERS’ TALK 発言録】
これからの日本の労働形態は?[ 堀江貴文(オンザエッヂ) ]
(前略)ワークシェアリングなんですけど、社会全体としての生産性は悪くなると思うんですが、どうでしょうか?
上のコメントとも被るんですけど、仕事したくないやつに仕事させても効率絶対悪いと思うんですよね。
だったら仕事好きでばりばり働きたい人間にキツキツにツメツメに働いてもらって、仕事したくない人には仕事あげないでぶらぶら生活保障で食ってもらうほうが社会全体としては効率的だと思うんですけど、どうでしょう?
さすがITバブルにのって最低のユーザビリティ・サイトを撒き散らした「えっぢ」の創立者(←ひがみ半分)。そんなに単純な二分論が成立するなら誰だって悩みはしないんである。仕事以外にもやるべきことやりたいことが人生として成立していて、だからといって仕事をすべて放棄したいとはこれっぽっちも思っていない人間は数多いんじゃないだろうか。
ワークシェアリングは経済的要因にのみ起因するのではなく、ライフスタイルの多様化に対応した施策でもある。上記のような人たちのために。
堀江氏の発言は、彼自体が悪いというよりも、エコノミカルな論調でしか社会制度を報道しないマスコミの罪でもある。 -
大人の国イギリス
イギリスに行ったことはないけれど、伝え聞くところでは大変にメシのまずい国であるらしい。「アングロサクソンというのは街を綺麗に住みこなし、そして本当にまずいメシを食うね」というのは小説家阿川弘之氏の言葉だけれども、異口同音に皆が同じことを言うのだからおそらく真実なのであろう。行ったことはないけれどね。
個人的には綺麗な街にふさわしく洋服が瀟洒で、まずいメシにも関わらずアルコールの旨い国、だという認識がある。いびつな文化は辺境で花開くのであろうか。
さておき僕自身、マフラーとトレンチはバーバリーを愛用させていただいております。本当はスーツも、といきたいところだけれども、僕自身にフィットしたものを買わねばならぬスーツはちょっと手が出ない。つまるところがマフラーもコートも親のお下がりなんである。お下がりで使える逸品には違いけれど、一抹の侘びしさがある。
イギリスのアルコール、と言えばやはりウィスキーだろうか。正確にはスコットランドですが。昔は国産物が大半だった近所の酒屋さんでも、なかなか旨いモルトが簡単に手に入るご時世になったというのは喜ばしい。
数年前、大学時代の先輩に勧められ、自分でもお気に入りになった「SINGLETON シングルトン」という銘柄があった。残念ながらその直後に味が変わってしまったのだけれども、香り高い独特の風味はなかなか他では味わえないものだった。あの頃、僕はいつだって背伸びして、そうして高いカウンターに腰掛け、オン・ザ・ロックでウィスキーを飲んでいた。ちょいと大人に、近づいた気分で。
最近知ったのだけれども、”singleton”には直訳で「独りっ子」、転じて「独りで立派に生きていける独身者」という意味があるのだという。背伸びの酒にはふさわしい気概の意が込められたお酒を、僕はそうと知らずに飲んでいたわけだ。
まあそれから数年経っても親のお下がりのバーバリーなんで、残念ながら肩肘張らずにグラスを傾けるにはほど遠いんである。”singleton”として「SINGLETON」を飲む前に、バーバリーのシルク・マフラーをお下がりで貰う方が早いんではなかろうかと手ぐすね、もとい達観しているしがないわたくし。
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やすきよのリアリティ
テレビをつけると「やすきよ」リバイバルが放映されていた。今から見ると平凡な掛け合いや予想のつくネタも多く、幾星霜の趣もあるけれど、それでもついつい見入ってしまう。狂人的なテンポでまくしたてるやすしと、絶妙なツッコミのきよし。やすきよは確かにテンポの面白さだ。誰にも真似ができない。
横山やすしは実生活でも数多くの乱行で知られるけれど、漫才の舞台にもあからさまに狂的な臭いがする。『ぎりぎりの人』だったのだろうなあ、と思うと、笑いの中にもついつい哀愁を感じてしまう。
そして彼らの漫才は、また同時に極めて差別的でもある。弱者や女性を、やすしの凶暴性=男性的暴力で屈服させていく。おそらく、今ではクレームが付くようなネタを、隠すこともなく荒々しく笑いに仕立て上げていく。笑いとはつまるところ差別である、という率直な事実を芸能にしてみせた芸人だ。だからこそ横山やすしはあれだけの人気を博して、そして零落していかざるを得なかったのだろう。差別のない社会は理想だけれども、笑いのない社会は平板である。矛盾の持つリアリティを体現したあの漫才、そして演じるやすしの姿は、今でも見るものの胸を打つ。
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デフレ下のベンチャー
現在の日本経済はデフレ・トレンドだという認識が、巷間ではささやかれている。
デフレには二つの側面があり、一方は資産価値下落によるバランスシート不況、他方は需給ギャップに起因するモノ余り不況だろう。両者は連動しながら縮小均衡に向かうのだが、これを称していわゆるデフレ・スパイラルと呼ぶ。現在の日本はまさに上記の状況にある。バブル崩壊によって傷ついた資産価値を回復するべく、各経済主体、なかんずく企業セクターは健全なバランスシートの回復・維持に努めようとする。
バランスシートの回復に必要な施策とはつまるところ借金返済と投資の手控えであり、亀が首をすくめるように縮こまりながら、何とか体を癒そうとする行為に他ならない。一企業としてはまっとうすぎるほど正論の解決策であるが、多くの企業がこの状態になってしまえば永遠に需要は回復せず、結果バランスシート修復に必要な利潤を稼ぎ出すことができない。いわゆる「合成の誤謬」と呼ばれる状態だ。以上が現在の不況を解説する通説である。では、このスパイラルを脱出するにはどのような方策を採るべきなのか。ここではそのうちの一方策として、デフレ脱出に果たすベンチャー企業の役割を考えてみたい。
需要不足時の投資として経済学の教科書に記載されているのは公共投資と減税であり、これらはそれぞれ政府と家計に需給ギャップを埋めてもらうための手段である。
ところがこの国では目に見えるような減税はほとんど行われておらず、不安感を忘れてまで家計を消費に趨らせるほどの効果はない。公共投資に関しては、その原資たる国債発行残高が不安要因となるほどに膨れ上がっていることに加え、サービス経済化が進む中、相変わらずの箱物土木に偏りすぎた内容であり、かつてのような乗数効果はほとんど期待できない。スパイラルの停止には、どうしても企業セクターの活性化、つまりバランスシートの傷ついていない企業の積極的な投資需要が必要になってくる。マクロ経済学的な視点から見た場合、これこそが現在の日本においてベンチャー企業が切望される理由だ。
もちろん、ベンチャー企業にはリスクがつきものになる。となればリスク許容度の高いセグメントの人間が起業家として舞台に上がるべきであり、それには失敗を恐れぬ若年層がやはり最適だろう。彼らは投資可能なリソースの絶対保有額は少ないものの、そのリスク許容度は高い。心理的シンボルとしてのパフォーマンス効果は申し分ない。
ベンチャーに投下される資本としては、上記のような自己資産だけでは不足している、というのが実際のところだろう。かつての日本と違い、資産が中高年層に著しく偏っているためだ。
そのため、ここで世代間の資産移転が必要とされるのではあるが、意外と直接投資よりも間接金融の方が望ましいのではないかと思われる。中高年層の資産保有者は明らかにハイリターンよりもローリスクを志向しており、また経営者への歯止めとしても『借金』の方が心理的効果は高い。中高年層は若年世代にベンチャー育成の美名のもと、『スネかじり』をされるのではない。起業家たる若年世代は、仮に経営に失敗しても、借りた分の金は親の世代への返済義務を果たさねばならないのだ。このスキームはある種の世代間相互扶助でもある。むろん、事業が成功して借金を返済できればいうことはない。もちろんベンチャー企業の全てが成功するわけではなく、その大半は潰れて、ミクロ的にはロスを残すことになるのだろう。
ところが、そのロスはあぶくと消えたわけではなく、何らかの需要として社会に還元されている。同時に失敗を経験した若者のうち、何パーセントかでも経験を積んで再起しようと再び志したとするのならば、それはきわめて実践的な人材教育だったともいえるのではないだろうか。
そして、そのようなベンチャー企業のコンマ何パーセントかでも成功をつかむのだとしたら、その企業が生み出す利益や雇用は、まさに新規社会基盤の創出である。あとは失敗者に対するセイフティ・ネットをどのように構築していくべきかという課題が残る。また、近年の一部ベンチャー企業に見られたモラルハザードの防止も重要になる。ところがこの両者は、制度的には二律背反の関係にある。線引きは本人の意向と思惑によるしかない。
マクロ的にみれば、敗者を是とするか非とするかはその時点の経済環境によって変化させるほかはなく、現在のような不況下にリスクテイク・チャレンジを求めるような状況ではセイフティ・ネットの構築の方が急眉となろう。インターネットを主要因とする起業家・起業家予備軍のコミュニティ化は急速に進んでいるが、このような「つながり」「縁」を重視する土壌が進歩していけば、悪評のレッテルを貼られた起業家はコミュニティからの退場を余儀なくされ、結果的に自浄作用がはたらくことも期待できよう。ここで用意されるべきセイフティ・ネットは、失敗の経験を生かして活躍できるような再雇用労働市場であろう。翼の折れた鳥たちは、新しい労働によって自らが負った経済的債務を返済しつつ、次の飛翔の機会を待つ。そんなサイクルを可能にするような環境こそが現在の日本に求められているのではないかと思うし、事実ベンチャー先進国アメリカのシリコンバレーなどでは、その仕組みがわりあい機能しているように思う。例えるならば、起業時の資金供給が上水道だとすると、この再生プラントは下水道部分だ。水処理は上下水完備してはじめて「システム」と呼べるのと同じく、起業もまた然りではないだろうか。
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リバイバル
邪魔されずにガンダムやりたい。
ゲームセンターにはオタクが多く、不幸なことにこのガンダムゲームは対戦型なので心安らかにプレイできない。小学生に負けるのは「君たちはニュータイプだ・・・」と微笑みながら心の中で呟けばよいのだけれども、朝から晩までゲームばーっかやっている無精ヒゲメガネに3分持たずに撃破され、軽くあしらわれるように一瞥されるのは屈辱である。スーツ着てる身にはなおさら。オタク不許可台があるならば、わたしゃ本気で1プレイ300円払ってもいい。そんな理由で、この間梅田のヨドバシカメラに寄った際、すんでの所でPlayStation2とガンダムのソフトを衝動買いしそうになった。さすがに合計3万7000円には二の足を踏んだけれど、このゲームのPS2版は絶対に僕のような「他人に勝つほどの腕前はもはや無いけれど、誰にも邪魔されずにガンダムがやりたい」という20代後半~30代男性が買っているに違いない。思い出に金を出す世代だしな。
巧みなマーケティングに乗せられていると言われようが、『消費社会の幻想』を僕たちは喜んで購入しています。ガンダムだもん。ガンダムだけでなく、世間ではBOφWYだのブルーハーツだのがリバイバル。自分たちの世代が現場の第一線に立ち始めたことの証左なのだろうが、少々後ろ向きだと指を指されても仕方がないラインアップ。僕も含め、売る側も買う側もそれで満足。
ちなみに最近マイブームの「ドラえもん」だけれども、次にくるのはこいつかもしれない。「ドラえもん」
※ついに全巻買い揃え、今は劇場長編のマンガ原作購入中。
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