Archive for 9月, 2003
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秋空の中で思い出が甦る
最近、柴門ふみの漫画に深く共感してしまう秋空のわたくし。昔『東京ラブストーリー』が流行ったときにも何冊か読んで、思春期まっただ中の男子生徒としてちょっと胸ときめいて、しばらくするとありえない展開の薄っぺらい漫画という烙印を押した。
・・・で、ちょうど柴門ふみが描いた物語に登場する男女とほぼ同い年になり、改めて「新・同棲時代」とか「あすなろ白書」とか「同級生」とか、を再読してみると、ありえない筈の物語に深く共感してしまう自分がいることに心底驚いた。柴門漫画に登場する主人公たちは、決しておとぎ話のヒーロー・ヒロインなんかではなく、「明日自分がそうなるかもしれない」人たちだったことに、ようやく彼ら/彼女らと同い年になって気づいたんである。こうしてみると、齢をとるって悪いことでもないような気がする・・・というのは全くの嘘で、気苦労が自分の現実になったことに少しうんざりしてみたりする。柴門漫画のテクストみたいな気苦労ってのも、考えてみれば幸せな日々なんだけれど。
そんな秋空の中で、久しぶりに海岸通と元町の高架下を散策して、数年前に見つけたタピオカ・ティーを供するカフェで一憩。
しばらくぶりの元高は少し様変わりしていて、それは街が変わっただけでなく自分もだんだん元高に似つかわしくない世代に属しつつあるのであって、狭いカウンターから首を曲げて、ぼうっと人の流れを眺めてみた。こうしてみると、齢をとるっていささかに哀しいにおいがする・・・というだけではなく、今でも胸をじんわりと熱くする思い出がちゃんと形成されていて、そいつがぎゅっと詰まった街が、まだ僕のすぐ傍にあることに少しほっとしてみたりもする。学生時代からこのかた同じ街に住み暮らしている所為で、僕は自分が不完全変態のバッタのように、姿を変えずにいつしか大人になったことを思う。明確な『蛹』の時期を定めることが出来なかったというのも良し悪しで、僕はいまだに自分の来し方に区切りをつけることが出来ない。いつだって大人だったような気もするし、相変わらず子供のようにも感じたりする。10年前の僕と今のそれではそりゃ男子三日会わざれば的にずいぶんと変貌も遂げたはずではあるが、どこにもマイル・ストォンのないワインディング・ロォドだったこともまた確かな感慨として、僕の中にある。
そんな夜には、学生時代から何度も観た『天使の涙』(ウォン・カーウァイ)を改めて再生してみる。香港の夜明けにヒロインがつぶやく「この温もりだけは永遠」という最後の科白が、僕の胸にも染みわたっていく。
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豊かさとは何か2003
昔祖母からは「人生いいことばかりはないもんだ。人間苦労は買ってでもしろ。」と教えを受けて育った。で社会に出てみると大不況で、というか正確にはこれ以上経済成長が見込めない社会で、苦労がなかなか報われる気配がなく、どうも先達の教えと勝手が違って戸惑っている世代が、1976年生まれの僕たちである。親の教えをもう一度思い起こしながら、改めて現在の彼らの姿を見つめ直してみるんである。
僕の祖父母は戦前の高揚、戦争・戦後の混乱を経て戦後の復興期を支えた世代であり、父母の世代は「貧しい日本」に生まれて高度成長を体現してきた。努力は善であり、生産こそが力だという信念に支えられた世代だとも言ってよいだろう。原則として余暇とは「明日への活力」という目的性を持っていて、目的無き快楽は悪だと潜在的に思っている。つまるところが仕事をすることこそが人生の目的でもあり日々の営みそのものでもあるのだ。
紋切り型という批判を恐れずに言い切れば、まあそうだろう。で、努力と生産という仕事一筋の彼らは、果実としての”Japanese Dream”の成果を一身に受けることができた。で、端で見ていて幸せなのかどうかは判定の難しいところである。仕事以外の自分の虚無に気付くことが怖く、一生懸命幸せだったと呪文を唱えてみたり、六十を過ぎても仕事に打ち込んでみたり、豊かになったことで十分じゃないかと言い聞かせてみたり、必死で大金を遣う『余暇』を費やしてみたり、あるいはさらなる金銭的な豊かさを追い求めてみたり、あまり幸せそうではないんである。どちらかといえば、いささかに醜い。
彼らの追い求め続ける努力と生産という名の信仰の到達点がそんな姿の中、今更努力と生産だけを善美として生きていくことを真似できる若者がいたら、かなりご奇特なのではないだろうか。フリーターを決して正しいとは思わないし、なりたいとも思わないけれど、無意識のレミング的行動としてのその生き方には、一定の共感を覚える。子供とメシも食えず一週間の休みも取れず、只働いて25年ローンのウサギ小屋を買う生活に埋没できる生き方を模倣できる若者が大多数になったら、フリーターやひきこもりの増加なんかよりもよっぽど日本民族滅亡なんではないのか。『子は親の背中を見て育つ』という至言があるが、今の日本は子が親に背を向けたことが生み出した停滞の中にいるように思える。僕は生まれたときからテレビがあってハンバーガー食い散らかしている(嘘だ。子供の頃、まだハンバーガーは休日のご馳走だった)世代に属しているけれども、豊かであるからこそ、『(経済的に)豊かになるため』ではない生き方ってやつも模索してみたいもんだ。
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風月の感慨
大学入学まで18年間を田んぼの広がる地方都市で過ごした私にとって、季節の移ろいはまさに田園風景で感じるものだった。冬の田起こし、水の引き入れ、耕運、そして新緑の頃には水を張られた田んぼにも青々とした苗が植えられる。盛夏からはイネ花粉のせいで花粉症がひどくなって、収まった頃には黄金色の稲穂を刈り取り。そして田んぼは子供の野球場に。まあ、夏だって泥鰌やザリガニ採りに水田に入って怒られたものだけれども。
都会暮らしも随分長くなって、田地で感じる四季の風月も遠い記憶になってしまった。アスファルトから突き出た木から聞こえるセミの鳴き声を聞くたびに、強く思う。そしていつしかそれが収まる頃に、また同じ感慨に耽る。
最近コンビニに行ったら、一棚が大量のチョコレートに占領されていた。秋の新作ラッシュのはじまりのようだ。
秋来る。めっきり夜風も涼しくなった。・・・根無し草の浮き身にとって、肌で感じる季節なんてその程度だ。コンビニ季節ものの定番おでんだって、最近は年中置かれてるしね。
-おほかたの 憂き身は時もわかねども 夕暮れつらき 秋風ぞ吹く 後鳥羽院-
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ソリューション
実は『ソリューション』という言葉を日常で多用している。業界臭いと言われるけれど、IT業界は『業界』なのでしょうか。別に芸能界でもマスコミ野郎でもないので、職業病と呼んだ方がより似つかわしい。労災適用っていうか。
システムの売り込みでプレゼンシートに「解決策」なんて書くと、解決しなかった場合ネチネチオヤジにどれくらい嫌みを言われるかわからないが、こういうときPowerPointに一行、「ソリューション」と挿入しておきさえすれば全て済むので楽なものである。解決するかしないのかも曖昧で、プレゼン相手の理解度もあいまい。使用例:[ソリューション = オブジェクト指向サービスによるWEBサービス導入によるCRM]
どうだ。御社の問題が解決(しそうな気が)するだろう。
でもまあ、昼飯食いに行くときに「今日のソリューションはカレー屋っすか!」とか口走るのは止めた方がよいのかもしれない。止められないから口癖なのだけれども。
では「俺なりのたわごと」でどれくらい「ソリューション」て言葉を使用しているかカウントしてみれば、なんとたったの1文である。
無国籍一膳めし:http://www.morishima.com/masahiro/blog-archives/000241.html
ソリューションというのは、僕にとっては流行りの口語でとどまっているらしい。
プレゼンには書き散らしても、自分のサイトではさすがに言葉に責任を持つようなんである。 -
長いゝいホォム
かつて旅人を見送った長いゝいホォムに、家路を急ぐ群集が満ちる夕べ。
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モブログ根性焼き
モブログを作ってみました。
写真は先月の大文字焼き。
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blogつながり
せっかくblog作ったんだから、まずは保有するコンテンツ全部乗っけてみよう大作戦。
1週間くらいかかって成功。リンク集やデータベース系のコンテンツをどうするかという問題は残るけれども、まあいいか。
それは追い追い考えるとして。・・・せっかくblog作ったんだから、blogつながりを作っていきたいよなあ。
人さまのblog探して、トラックバックして、リンクを張り合って。
そのためのツールもインストールして。
これが次の仕事。・・・問題はこのコンテンツに誰が魅力を感じてくれるかということ。
・・・厳しい。blogマニュアルでも載せるか。(面倒くさい)
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症例:日本病 年齢:27歳
所用があってひさかたぶりに祖母に電話したところ、用件もそこそこに人の懐具合を心配されてしまった。そりゃまあ、実入りが多いわけではないけれども、「あーっとそのとき」にも「たまにはババンと」にも関係のない暮らしをつつがなく送っているわけなので、いささか悲しい。
89歳と82歳の老夫婦の心配事が、青壮27歳の孫の財布の中身というのはいかがなものなのであろうか。
まあ、それが現代日本の象徴ではあるのだけれども。ちなみに我が父母の私に対する関心事といえばこれはもう「いつ結婚するのか?」であって、よく考えてみれば、二人とも孫がいたところでおかしくない歳になりつつある。あらためて考えてみるとびっくりだ。
父と母に対する年齢感覚はだいたい45歳くらいでストップしていて、それも自身が結婚する気にもなれない要因なのかもしれない。いつまで経っても大人になった感慨よりも子供でいるマインドの方が強くて、どうも結婚して夫婦二人で自立するというイメージが湧かないのだろう。そうなったら本気で自分で稼いで生きていかなければならないではないか。いやもちろん今だってそうなのだけれども、気構えとしての問題はまた別である。
ベンチャー志向でリスクテイキングなポジションだもんねとイキがってみても、とどのつまりが豊かな(時代の香りを残す)中産階級の家庭からなかなか抜け出せない自分であることにも気がついてみる。これはどっぷりと日本社会の宿痾に浸かっていると言えるのではないか。いつの間にか。
・・・だいたい、祖母にもこの間靴買ってもらったりしてるしな。 -
熾き火の想い
海外に行きたい行きたいと言うだけでは芸がないのだけれども、ここ数年の出張その他で貯まったANAマイレージが26,000マイル。で、東南アジアまでは35,000マイルのところが現在キャンペーン期間中につき28,000マイル。これは旅に出るしかないでしょうと家でANAのサイトとにらめっこしていたのだけれども、なんと関空から東南アジアへの便はほとんどない。
あきらめてisize ab-roadを悔し紛れに見ていたら、なんと年末年始のバンコク往復が76,000円。問い合わせてみると特定日オプションでいささか値上がりするものの、それでも90,000円を切っている。年末年始の東南アジアで、この価格は破格だろう。
・・・とはいえいつも50,000円そこそこのチケットで往復していた身には、かなりの出費に感じる。おまけに薄給の身である。で、来年再来年再々来年・・・と年末年始の土日配列を見てみると、今年を逃すと2008年までまとまった休暇のチャンスはない。
迷わず申し込みである。まあ、いざとなったらリボ払いだっていいしな。そんなふうにして熾き火に息を吹きかけるようにして、旅への想いを持ち続けるわたし。
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踊る“王様”
今週のAERAの巻頭特集が、「『自分以外バカ』でカタルシスな人々」。私もエンドユーザに直接コンタクトする仕事をしているのだけれども、今日だって同僚が話を聞かない顧客の応対をしてトサカにきていた。
「我が儘な消費者」という言葉や、半ば自嘲として語られる「消費者は王様」なる文句が世間に氾濫してからずいぶん時間が経つように思うのだが、一昔前の引っ込み思案でそのくせ慎重という、企業にとっては扱いづらい消費者層を抱えた日本で、最初に消費者を持ち上げたのは明らかに企業サイド(=と、オヤヂ連中を見事に説得成功した代理店)だろう。
消費者が主役、という一面真実だけれども実は誇大な幻想を彼らに抱かせた企業が、今手に負えない消費者から、しっぺ返しを受けているようにもみえる。・・・というのはシニカルすぎるかなあ。
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