Archive for 12月 30th, 2003

  • 流れに逆らう舟のように

    Date: 2003.12.30 | Category: D:旅行 | Response: 1

    暮れなずむ海辺のレストランで、スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』を読了。
    異国の浜辺で太陽に炙られながら読む本は、カミュの『異邦人』が僕のベストなのだけれども、夕暮れに限定すると『グレート・ギャツビー』だってなかなかのものだ。
    ちなみにもう一冊帰路に読もうと持ってきた本があって、金子光晴の『マレー蘭印紀行』がそれだ。スノッブなチョイスは今に始まったことではないけれど、少しくらい高尚な書物の方が、見知らぬ土地には良く似合う。まあ、タイが未踏の地であるかどうかも微妙なところではあるのだが。

    陽が落ちて灯がともる刻限に、大きなスクリーンに目がとまってバーに入る。折角の大画面なのに、随分とひどいパンク・バンドのPVが延々と流れ続けているだけ。居酒屋よりも不味いジン・トニックを傾けながら、それでも飲み干すまで居座ってみる。それで、昼過ぎの台詞を思い出す。・・・

    妙な味のするチーズをのせたピッツァを頬張りながら、連れ合いの愚弟が、常にハイテンションな僕を眺めながら、「よっぽど毎日不満が多いのか、それとも日本には追いかけるものが無いのか・・・」と、堪えかねるように呟いた。

    ・・・虚を衝く問いかけともいえぬ彼の言葉に、いささかうろたえながらもどうしてだろうと口篭もりながら、僕もその理由を考えてみた。理由が判れば苦労もしなくて済みそうなものだけれど、理由を探しながら生きてみるというのも、これはこれでしんどいものなのだ。さぞかし気楽に見えるんだろうけれど。

    こうしてぼくたちは、絶えず過去へ過去へと運び去られながらも、流れに逆らう舟のように、力の限り漕ぎ進んでゆく。
    スコット・フィッツジェラルド:『グレート・ギャツビー』より

    とどのつまりが、愚弟が付き合いきれずに寝入ってしまって、倦怠な南国の夜なんである。一日に2回もネット・カフェに入り浸ってるんだから。

  • イノセントシャコ貝

    Date: 2003.12.30 | Category: D:旅行 | Response: 0

    今日はスノーケリング三昧の一日。朝から夕方まで5回も潜るツアーで、食事付き450バーツ(1350円)。心もち以前より安くなっている気がする。
    この島を最初に訪れたのは3年近くも前のことになるのだけれども、随分と浜寄りの珊瑚が白茶けて死んでしまっている。環境破壊なんだろうか。まあ、かくいう僕も洗顔フォーム持参でピピ島くんだりまで来ているので、破壊の一味みたいなもんだ。

    それでも沖は随分と綺麗な珊瑚が群生していて、そこかしこの珊瑚の脇っちょには色とりどりの口が開いたシャコ貝が鎮座している。とりあえずフィンの先っちょで突っついてみたりする無邪気なわたくし。貝の口が閉じると何故だか満足感100%の常夏の海。自然は人をイノセントにしてくれるものなのね。(ちょっと違う)

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