Archive for 9月 22nd, 2004

  • プロ野球参戦と二番手企業の角逐

    Date: 2004.09.22 | Category: B:マジメな話 | Response: 5

    何かと騒がれたライブドアのプロ野球参入ですが、ついに楽天も参戦。
    そして今日のYahoo!ニュースでは

    楽天、新球団の本拠地を宮城に ライブドアとの競合辞さず

    プロ野球への新規参入を表明していたインターネット関連企業の楽天は22日、新球団の本拠地を宮城県として、申請することを明らかにした。

    (中略)

     楽天とともに新規参入を希望し、宮城を本拠地とする新球団の参入の申請をしているライブドアと競合することについては、「早い者勝ちではない。1地域に2球団は難しい。6球団と5球団ではやりづらいが、6球団と7球団になってもやりづらい。競争となるかもしれないが、これは宮城県の方たちに判断してもらうこと。われわれとしては自分の思ったことをしゅくしゅくとやっていく」とコメント。

    楽天、ライブドアが随分以前から参入時のフラインチャイズ地として名乗りを上げていた仙台へ殴り込み。ほんの数ヶ月前には「プロ野球には興味がない」とコメントした三木谷社長だけに、言い分をそのまま受け入れたものかどうか疑問ではある。

    この2社が本気で球団を所有したいかどうかという点はさておき、プロ野球球団を保有することの直接的なメリットはプロモーション戦略上、かなり広範、安価に知名度を高められる点であり、間接的にはエンタメ・コンテンツの確保だろう。何だか主客転倒している気もするけれど。

    楽天がデジタルコンテンツ分野(電子書籍などには手を出しはじめているが)へ、本格的に乗り出すかどうかはさておいて、ダイエーホークスの成功にみられるとおり、ショッピング事業での付加価値として、スポーツチームの保有はまだメリットがみえる。楽天のM&A戦略や、アフィリエイトに代表される顧客流入経路の整備を考えると、伸び悩みがみえる「店貸しモデル」から、楽天がイニシアティブをとっての自前路線展開への転回を志向しており、その成就にかなり好影響を与えるだろう。

    一方のライブドアは、自社の「livedoor ニュース」やオンデマンド配信への力の入れようをみる限り、コンテンツとしての魅力を買ったといえるだろう。同時に、M&Aによるシナジー効果が楽天ほど明確になっていない中で、企業ブランドのコアとして球団を保有し、またそれよりも、ヤフー・楽天の二強に比べかなり劣るコンシューマ認知度を短期間で向上させられる可能性、という魅力はやはり大きい。

    以上直感的にではあるけれど、純粋なメリットを考えてみると、楽天よりはライブドアの方が、より球団保有のインセンティブが高いのではないだろうか。

    で、楽天の参戦である。

    現状、楽天のインダストリアル・ポジショニングはそう悪くない。EC事業で圧倒的なシェアを誇り、旅行分野では日立造船から「旅の窓口(現:楽天トラベル)」を買収したことで国内ネット宿泊市場のシェア7割を確保、楽天証券もそれなりに健闘している。証券に加え、あおぞらカードの買収などで金融分野への進出を図り、流通と金融(ひょっとするとあとは物流か、でも利益率の低いモルタル事業に手を出すかは微妙)を合わせたネット・マーチャントへの脱皮はかなりの確率で成功するだろう。

    ただ、楽天の問題は逆に「あまりにも明確な事業ドメイン」にあるのではないかと、いささかの皮肉を込めて思う。全方位展開型のヤフーはさておき、コミュニティ・ブログ・コンテンツ配信と、着実(笑)にメディア・カンパニーへの道を歩むライブドアが、ひょっとすると“安泰”であった2番手企業の座を突き崩すかもしれない可能性が、わずかではあるがみえてきた。
    今後のネット業界は「誰が情報の流入を制するか」「マス・プロモーションでは捕捉できないP2P型のコミュニケーションに、誰が楔を打ち込むか」という点が焦眉となっていく中で、ある意味では旧来型のリーズナブルな進化を遂げる楽天の事業ビジョンが、そう簡単に思惑どおり運ぶのかどうか。
    楽天にとってはとにかく認知度を上げ、己の事業ビジョンの継続のためにも、ここでライブドアに一般消費者への浸透で後塵を拝することがあってはならない。

    その文脈では、明らかに今回の楽天のアクションは『ライブドア潰し』に目的があることが透けてみえる。
    この勝負どちらが勝つのか分からないけれど、三木谷社長が勝算の全くないドッグ・ファイトに乗り込むとは考えにくい。独断と偏見だけれども、既に根回しに入っていてもおかしくない状況だ。そして数ヶ月後に「企業の安定性や社長の卓見を総合的に判断し、楽天の新規加盟を承認」というコミッショナー声明が流れたりしてね。個人的に堀江社長が好きなわけではないけれども、もしそうなったら、僕はやっぱりライブドアを応援したいものだ。心情的には。

    horie0922-1.jpg horie0922-2.jpg

    とりあえずジャケットを羽織ったほりえもん。ネクタイを締めずに開襟しているのは、せめてもの意地でしょうか。

    mikitani0922-1.jpg mikitani0922-2.jpg

    いつの間にかヒゲを剃り落とした三木谷社長。
    ・・・しっかりライバルの叩かれ方を意識してますね。このあたりは良くも悪くも、オトナです。

    よってコミッショナー声明は以下のように変更して予言しておきます。

    「企業の安定性や社長の卓見と服装を総合的に判断し、楽天の新規加盟を承認」

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