Archive for 1月, 2005
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土色の恋情-猫のホテル
前から見たかった『猫のホテル』の新春公演を見に行く。異父兄弟が母親のあしあとを探す、というところから物語ははじまり、ほぼほとんどはその母親の若き頃のシーン。漫才師に弟子入りした彼女が見た人間悲喜劇、という仕立てで、テンポも良く飽きさせなかったのだけれども、・・・オチがない。この劇団の芸風を知らないので何ともいえないけれど、ラストにもう一ひねりしたら良い芝居に化けたんではないかと思う。残念。
ちなみに劇場は下北沢のザ・スズナリで、こちらも前から行ってみたかったホール。久しぶりにほんとうの小劇場に足を運び、舞台との距離が近いことからくる一体感を堪能。

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リビドーについて-マクロ編
国連監視団が、派遣先で買春していたというニュース。
人道的な立場をいっさい抜きにすれば、白いの黒いの南米アジア入り乱れアフリカでくんずほぐれつ、というソフトオンデマンドもびっくりな前衛的性交が、国連の制服付きで行われ、おまけにペドフィリアときた。人種差別、幼女虐待、制服フェティシズムの揃い踏み。
そこまでしてセックスしたいものなのか。逆に言えば、そのような状況だからこそしたくなるのかもしれない。つまりは暴力とコンプレックスとに密接な結びつきのあるリビドーであり、理論的に納得することはできる。理論的には。
昔カンボジアのプノンペンに数日滞在していたとき、同宿の男たちはかなりの割合で夜な夜な買春に出かけていた。真っ暗で治安も悪い市内をバイクタクシーにまたがり、郊外の風俗村に出かける。そこは、5ドルで少女が買える街だった。少しでも想像力があれば、かなり気分が悪い話だ。翌朝のカフェではみんな昨夜の痴態自慢や少女の品定めがはじまっており、僕は愛想笑いでベトナム・コーヒーを啜っていた。今まで訪れたことのある場所の中では、世界最低だと思う。もっとひどいところだって、地球上にはいろいろあるのだろうと思う。
こういうセックスがいったい何なのか、僕にはよく分からない。分からないから気分が悪い。
リビドーの少ない男が、変態リビドーについて考えてみても、やっぱり結論は出ないのだけれども。国連内部監査局は7日、コンゴ民主共和国(旧ザイール)で国連平和維持活動(PKO)にあたる国連コンゴ監視団(MONUC)の要員らが、卵や牛乳などの食料や少額の現金などと引き換えに、難民少女らに売春や性的関係を迫るなどの虐待を行っていたの調査結果を発表した。虐待をめぐる疑惑を受けた集中調査で「72件の疑惑のうち20件について証拠がある」と指摘した。
報告書によると、調査はコンゴ北東部の町ブニアにある難民キャンプを対象に昨年5月から9月まで実施された。20件について虐待の証拠がはっきりし、うち6件については詳細な経過を説明。中には13歳の少女が複数のPKO要員から3~5ドルの現金と引き換えに売春に応じていたことや、性交渉後、卵、牛乳をはじめ、チョコレートやパンなどを与えていたケースも明らかになった。
同疑惑に関連し、現地少女の裸をビデオ撮影し、レイプしたフランス人のPKO要員は本国送還後、収監された。また、南アフリカ、ウルグアイ、モロッコ、チュニジア、ネパール出身の要員が疑惑を指摘されている。国連内には派遣先で18歳以下の少女との性交渉を禁じる規定があるものの、要員派遣国への気兼ねもあり、送還後、処分を派遣国に委ねているのが実態だ。
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夢日記200501初夢(ただし記憶に残っている分)
忘れないうちに、(はっきりと記憶に残っている)初夢を記録しておくことにする。
海辺のオープンエアーな飲み屋みたいなところが前職会社の1Fにあり、かつての同僚たちと久しぶり、とか言いながら旧交をあたためる。みんな相変わらず忙しそうだ。
そこに昔付き合ってた子が現れて、一緒にクラブに行こうと誘う。今日はご機嫌に皿が回っているらしい。その前にホテルから荷物を取っていきたいので、彼女と一緒に古いエレベーターに乗り込むが、いつの間にか一人になっている。宿泊していた部屋はバンコクあたりの安宿なみにおんぼろで、ドアには南京錠がかかっていた。中に入ると、テレビがつけっぱなしだった。
彼女と一緒に鉄道駅へ向かう。丁度夜行列車が到着して、妙なことに機関車が編成の真ん中に何台も何台も挟まっている。古い客車に乗り込むと、通勤ラッシュなみの混雑。僕の身体は彼女に密着する。彼女の尻が僕にあたる。少し欲情してその上で揺れる胸を揉んだりしてみる。
ややあって僕が手を放した隙に、どこかの男が彼女の腰をまさぐっている。僕は彼に向かって、
というところで夢終了。一富士二鷹三茄子というけれど、それどころじゃないカオスっぷりだ。
誰か夢診断してください。ほんとうに。 -
酒気帯び車椅子-中島らも
酒気帯び車椅子
★★★★☆
中島 らも (著) 集英社中島らもの遺作。ヤクザに脅された商社マンが、結果家族を犠牲にし、そしてバイオレントなリベンジの終章に突入するというストーリー。筋書きが単純なだけに、そのシーンの筆致がより印象に残る。彼が書きたかったのは、単純な日常の中で、事象そのものは単純だけれども圧倒的な力を持つ出来事が起きること、そしてそれの積み重ねが人生というものだということ、それをいかに読ませるかにつきるのではないかと思う。
この小説に描かれた事件は、小説としてはありがちな設定で、ストーリー展開も平凡だ。しかしながらそこに描かれる感情も暴力も読み手の心理をえぐるリアルさがある。それだけが浮かび上がるほどに。中島らもはあまりにもあっさりと死んでしまった。これが遺作であることを僕はとても悲しく思う。
けれどもそんな事すらも、彼の小説のように思えてしまう。 -
煙か土か食い物-舞城 王太郎
煙か土か食い物
★★★★☆
舞城 王太郎 (著) 講談社文庫遅まきながら最近その存在に気付いた舞城王太郎のデビュー作。筆者らしいテンポのよい悪のりに近いほどの文体で、もはや謎を解くことも名探偵ぶりを主人公が発揮することも、一応ミステリーらしいこの小説の本題ではなく、事件を舞台に家族の謎と血の呪縛を描くことが、一応この小説のテーマである。とはいえそのテーマ性も重いのか軽いのかよく分からず、そのあたりのいい加減さがこの小説をエンターテイメントに仕上げている。ミステリーとしての筋立ても一人称私小説としての枠組みも描きながら、舞城文体で読者をその世界にいざなう才能は、素晴らしいと思った。
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バビロンに帰る-スコット・フィッツジェラルド
バビロンに帰る―ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック〈2〉
★★★☆☆
スコット・フィッツジェラルド (著), 村上 春樹 (翻訳) 中公文庫村上春樹訳のフィッツジェラルド、ということで、僕としては言うことのない組み合わせ。フィッツジェラルドの小説を読むとき、僕はいつも得られた夢の虚しさと得られぬ希望の遠さについて考えさせられる。この本は有名どころを集めた短編集だけれども、やはりすべて、そんないろどりがある。そして若さから成熟に至る過程で誰もが味わう、ある種のやるせなさともがきをこれほど描けた作家は、なかなかいない。
彼の小説じたい、あの有名な一節、このblogでも何度か引用した『流れに逆らう舟のように、力の限り漕ぎ進んでゆく』ことをテーマにしているようにみえてならない。僕がフィッツジェラルドに惑溺するのも、たぶんnそれが一番大きな理由だと思う。
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西ひがし-金子 光晴
西ひがし
★★★★☆
金子 光晴 (著) 中公文庫愛する妻をパリに置いてマレー半島に行き、彼女の帰国旅費を絵描きとして稼ぎながらの心理描写、旅情風景を描いた作品。大方に知られるとおり、これは金子光晴とその妻森三千代の旅した一連の連作紀行の1冊。常に頼りになる男に寄り添う妻を、芸術家らしい恋情と諦めで遠くから想いながら、そしてままならぬ己の境遇と旅の浮き草を重ねた筆致は、旅先に持ちゆく本としては最高の1冊だ。
実際これを読んだのは数ヶ月前のタイで、僕は玄関灯に照らされるヤモリと共に読んだ。そして上質のモルトウィスキーを舌先で転がすように、その散文体を味わった。詩人だけあって、彼独特の比喩はたとえがたく、胸に染み入ってくる。
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あけおめシュール
いきなりPSPで「どこでもいっしょ」にハマる。これ、ゲーム機上のバーチャルペットというかパートナーというか、トロという人間になりたい猫に言葉を教えたり人間社会を教えたりするコミュニケーション重視育てゲーなのだけれども、気がつくとずっと画面上のトロとチャット状態。ヤバい。内向癖が出つつある。
ついでに最近買った椎名林檎率いる東京事変の1stアルバムにもハマる。
新宿は豪雨
あなた何処へやら
今日が青く冷えていく東京
戦略は皆無
わたし何処へやら
脳が水滴を奪って乾く
(東京事変 『群青日和』より)やっぱりこの人は天才だと思う。
情念を直感の言葉で表現できる人間に、僕は限りなく惹かれていく。・・・で、シュールな歌詞を聴きながらシュールなバーチャルペットに癒される新年です。
そんな最低な毎日が大好きです。やれやれ。 -
東海道新幹線
最近は出張もないし、以前も出張は飛行機利用だったので、朝一番の新幹線といえばほとんどが実家からの出勤だ。今日もご他聞にもれず、新年の初出社はひかり号。車窓から熱海の海が見えたりして、新丹那トンネルに入る。トンネルを抜けると、そこは関東。薄日和の今年が始まった。
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棹さしながら、舌を出しながら
新年きたる。あけましておめでとうございます。
去年はピピ島で騒ぎ、一昨年は確か名古屋で遊んでいた(ような気がする)。
今年は何の因果か東京都の片隅です。やれやれ。日々は流れゆくけれど、僕も流転の中で、流れに逆らう舟のように、力の限り漕ぎ進んでゆきたいものだと思う。
ちょっぴりちょっぴりと棹さしながら、舌を出しながら。---------------
山中問答 李白
問余何意棲碧山
笑而不答心自閑
桃花流水杳然去
別有天地非人間余に問ふ何の意ありて碧山に棲むと
笑って答へず心自ら閑なり
桃花流水杳然と去り
別に天地の人間に非ざる有り
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