Archive for 8月, 2005

  • ふくべ-岐阜

    Date: 2005.08.31 | Category: C:グルメ | Response: 0

    味噌かつといえば名古屋の「矢場とん」がうまいと評判だけど、ここのは矢場とんより揚げ具合・味噌ダレのコクとも上。文句なしに旨い。

    とろりとした味噌ソースは、味噌も味醂も上等で、甘さがくどくない。豚肉も地場のいいものを仕入れているとのことで、臭みいっさいなし。

    地元民が迷わずお薦めできる、No.1の味噌かつ屋。もちろんふつうのとんかつもあります。

    ■ふくべ
    住所:岐阜県岐阜市高砂町2丁目3-2
    Tel:058-263-2638

    定食は1000円から1200円。

    fukube.jpg

  • ブランチヒロノヤ-大垣(岐阜県)

    Date: 2005.08.31 | Category: C:グルメ | Response: 2

    飛騨牛を廉価に食べさせてくれる大垣の洋食屋。かなりの老舗。店内はカウンター中心の、ほんとうに昔ながらの洋食屋といったたたずまい。

    3000円のランチコースを食べたのだけれど、牛刺し、オードブル、枝豆の冷製スープ、タンシチュー、ステーキ、サラダにデザートがついておなかいっぱい。メインディッシュはステーキなのだけれど、特筆すべきはやっぱり名物のタンシチュー。スプーンだけでほろほろと崩れるまで煮込まれたタンと、クリームの濃厚なスープの最高です。

    hironoya.jpg

    もちろんステーキは赤身ながらとてもやわらかく、デミグラス系のソースは絶品。この店は肉のグレードも高いけれど、昔風の洋食ソースが堪能できるところがポイント高い。洗練された味ではないが、近所にあれば通いたくなる、そんなレストラン。

    ■ブランチヒロノヤ
    住所:岐阜県大垣市本町1-77
    Tel:0584-73-9100
    営業時間:11:30~14:00、17:00~22:00(月曜定休)

    Yahoo!グルメ:http://gourmet.yahoo.co.jp/gourmet/restaurant/Tokai/Tokai/guide/0206/M0021000190.html

    参考:岐阜・大垣市 ブランチ・ヒロノヤ(主婦的生活ノート)

  • 饂飩くろさわ-六本木

    Date: 2005.08.31 | Category: C:グルメ | Response: 2

    世界のクロサワの息子である黒澤久雄のプロデュース。
    うどんはしゃっきりとコシがあり、だしも風味の軽い節を使っているらしく、関西風の薄味ながらはっきりしている。おすすめ。

    きつねうどん840円と言う価格は、微妙なんだけれども、場所代というところでしょうか。

    ■饂飩くろさわ(うどんくろさわ)
    場所:東京都港区六本木6-11-16 中銀六本木マンション1F
    Tel:03-3403-9638
    営業時間:11:00~14:45、17:30~22:45(土曜・日曜・祝日は11:00~22:45)

    公式サイト:http://www.9638.net/udon/
    Yahoo!グルメ:http://gourmet.yahoo.co.jp/gourmet/restaurant/Kanto/Tokyo/guide/0102/C0000000244.html
    Livedoorグルメ:http://gourmet.livedoor.com/item/100/T13194/

    udon_kurosawa.jpg

    ※写真は夏季限定のトマト冷やしうどん。甘い完熟トマトとだしの組み合わせはサラダ風で悪くないです。

    参考:饂飩 くろさわ (うどん)(六本木でグルメ)

  • ネット・ポリティクスの罠

    Date: 2005.08.25 | Category: B:マジメな話 | Response: 3

    「世に倦む日日」さんの『憲法問題も重要な争点である - 9条の会は何をやっているのか』に、日本のネット・ポリティクスを喝破した一文がある。

    今はブログが主戦場である。これを見よ。人気ブログランキングが現在のネット世論の主戦場であり、そしてここも右翼が見事に制圧している。右翼の素早い動きには感嘆させられる。戦略戦術の決定が早く機動的だ。こうしたネットの現実を見ると、迸る右翼のエネルギーを感じるし、熱がある。熱は人を動かす。どれほど錯誤した主張でも、無知で野蛮な議論でも、熱と数の力で政治は動かせる。既成事実を作ることはできる。政治は数である。

    まさにそのとおりだろう。ネット上でのいわゆる似非ナショナリズムの奔流といえばやっぱり「嫌韓流」騒ぎで、ほんとうにネット書店の売上1位になりリアル書店でも品切れ続出になった。いわゆるコンプレックス愛国主義がネット上で爆発してしまった事例だろう。で、この流れは逆にリベラル派のウェブサイトでは止めることが難しいのだ。つまりはそれこそ「熱と数の力」なかんずく熱気は、冷静な議論で止めにくいのだ。
    個人的には、この歯止めの利かないある種の熱狂的な国民性と、即効波及というネットの特質が結びついたときに、ネット上でこそ日本のリベラルは死んでしまうのかもしれないと危惧する。おまけに人口が減って長期的に経済停滞期に入ったことが明確な昨今、それに起因する強迫観念的な排外主義的なナショナリズムを押しとどめることは出来るのだろうか。ちょっと暗い気分にならざるをえない。

    ちなみに「嫌韓論」は立ち読みした。まともな読書力と歴史認識があれば、ちょっと読むに耐えない一冊だった。
    漫画というデフォルメ・メディアで感情を煽るデマゴギー手法は小林よしのり以来の常套手段として定着したきらいがあるが、これは漫画によってデフォルメされた扇情が、ただただネットという熱狂の渦の中で醸成されていくという世論形成スパイラルが日常風景となっていくことにほかならない。

    もっと理解しがたいのは、この昨今の風潮=排外的愛国主義と熱狂的ファシズムに近い状態、が国益に結びつくとどうやら本気で思っている自称保守層だ。誰か僕にわかりやすく教えて欲しいのだけれども、いったい主観的な排外主義が、自由グローバリズムの現状でどう国益に対して有効にはたらくというのだ。
    古めかしい言い方をすれば日本は所詮重商主義国家であり、たとえどれだけ卑屈になってもシャイロック然として金を稼いで島国に貯め込み、贅沢を享受することが国益ではないのか。いつ暴落するか分からないドルを支えアメリカの世界戦略の一翼を担いイスラムなどの異文化から恨みを買い、ついでに中韓と国民レベルで感情的な相互対立を起こす重商主義国家が果たして存在しうるのか。

    彼らはナショナリストと云いながら、国益が何なのかを戦略的に考えることすらも放棄しているようにしかみえない。人道的とか左翼的見地とかいう以前に、僕は僕の豊かな生活を守りたいコンサバティブでいたいもんだ。

    ■参考
    「ウヨク」と「サヨク」:ネットでの勝敗(一粒のぶどう ブログ)

  • S60チルドレン(全4巻)

    Date: 2005.08.24 | Category: E:読書・映画・演劇 | Response: 0

    S60チルドレン
    ★★★★★
    川畑 聡一郎 (著) イブニングKC


       

    僕が小学生だったのは昭和58年から平成元年=昭和64年までのあいだ。この漫画はまさに僕のショーガクセイライフと同時代のもので、読みながら思わずシンクロしてしまう。
    この漫画は小学校4年生のリアル日常を描いていて、喧嘩とかちょいグレとか、あるいはクラブ活動やささやかな初恋など、いちいち読みながら思い出を追憶する。そう、小学生にだって面倒くさい世間とか日常はいろいろあったし、思い悩むことだって多かった。そんなに今と変わりゃしないさ、と、読み終えてポジティブなんだかネガティブなんだか分からない感想をいだく今日このごろ。

    ■ネット上の書評・・・すごく評判がいいのに、連載終了なんだよなあ。残念。
    第弐齋藤 土踏まず日記
    ordinary days

  • タイ行きの予定

    Date: 2005.08.17 | Category: A:Diary | Response: 2

    10月に秋休みを取って、東南アジアに行くこと正式決定。最初は素直に全日空で行こうと思っていたのだけれども、決済する段になっていきなりシンガポール航空の成田-バンコク直行便就航のニュースが飛び込んできた。価格は55,000円(諸税込)。時間帯のいい直行便にしてはびっくりするくらい安いので、迷わず照会、購入。
    今回はEX-TOURというネットエージェントを使ったのだけれども、オンラインでC/C決済可能だし対応もいいし、e-tourやJTBから乗り換え決定。海外発着のローカル航空券も簡単に予約できるので、おすすめかも。

    今回はマニアックな場所に行きたいなぁ、と思い、仏教国ラオスの小京都といわれ、街ごとユネスコ世界遺産に登録されているルアンパバーンに行く予定。朝もや立ち込めるメコン河のほとりを、袈裟をまとった僧侶が托鉢する光景は幻想的だという。ああ、僕も一生懸命お布施して、功徳をいっぱい積んで帰ってくるつもり。

    で、後半は一気にタイ南部のリゾートで、スノーケリングとシーフード三昧の予定。最初は行き慣れたピピ島タオ島にしようと思ったけれど、リゾートリゾートしたところは独り旅に辛いので

    ・びっくりするくらい綺麗なコーラル・リーフで泳げるところ。
    ・バンコクからまあまあアクセスが楽なところ。
    ・そこそこのホテルがあるところ。

    で探したところ、タイ南部のハイ島という島を見つけた。あんまり日本人もいないみたいだし、(雨季とはいえ)スノーケリングしてゆっくり椰子の木陰でお昼寝でもして、いろんなことを忘れてくる予定。

    ちなみにこの島に決めたのは、どこかのBBSで見つけてきた「Thapwarin Resort」というなかなか良さげなコテージのせい。4000円くらいでビーチフロントの洒落た部屋に泊まれるのは至福ってもんだ。

    というわけで、心の7割方はタイランドです。残りの3割で、その他いろいろをこなす季節になりました。

  • 宿泊予約サイト分析-2 一休とベストリザーブのニッチ戦略

    Date: 2005.08.16 | Category: B:マジメな話 | Response: 0

    表題のとおり、主要5サイトの中ではもっとも小粒であり、かつマーケット特化戦略を取る一休とベストリザーブについて考察してみる。

    前項で推定したとおり、両者の予約室数ベースでの差はそれほどない。が、両者の成長性評価についてはかなり大きな差があるといってもよいだろう。

    ■一休
    2005/8/15終値での時価総額:716億円
    売上高:12億4000万円
    経常利益:7億3000万円
    ※いずれも同社IR資料より

    ■ベストリザーブ
    ライブドア買収時の買収金額:12億円
    売上高:2億1000万円
    経常利益:4000万円
    ※いずれもライブドアIR資料より

    これは両者の位置するマーケット・ポジションに依存している。一休は平均室単価22,000円の高級ホテルが対象(同社IR資料より)であり、かたやベストリザーブはビジネスホテル主体のため、一般的に室料×手数料率である1予約あたりの売上に大きな差が生じる。これを数字にしてみると、

    一休の1予約あたり売上=1,540円 {室料:22,000円}×{手数料率:7%}
    ベストリザーブの1予約あたり売上=330円 {売上高:2億円}÷{予約室数:60万泊}
    (ちなみにベストリザーブの平均室単価は、330円÷5%で6,700円前後と推定される)

    と、5倍近い数字の開きが出る。両者の予約室数は大差ないにもかかわらず、売上高と経常利益にギャップがあるのはまさにこのマーケットの違いによる。システムコスト的には、シティホテルとビジネスホテルの予約に差があるわけもなく、両者程度の規模ではコスト吸収力の違いが財務指標にあらわれてしまう。これは、ベストリザーブと同じくビジネスホテル予約が主体でありながら、業界のガリバーとして君臨する楽天トラベルと比較すれば一目瞭然で、楽天トラベルは客単価が安くとも大量のディールをさばくことによりコストメリットを出しているのだ。

    つまり、ベストリザーブ=ライブドアが現状の戦略で進むかぎり、楽天トラベル並み、とは言わぬまでもせめて現状の5倍(=一休と同レベルの売上高確保)の予約室数を叩き出さなければ生き残りは厳しいのではないか。これは業界2番手に位置するじゃらんnetと同規模の数字であり、ポータルとしての顧客誘因力に乏しいライブドアでは、簡単な実現は困難であろう。

    そこで、ベストリザーブは室単価の高いレジャー需要の取り込みに血道を上げている。

    ベストリザーブ、宿泊施設側のシステム利用料無料キャンペーン(INTERNET Watch)

    ベストリザーブは28日、同社と加盟契約を結んだ宿泊施設のシステム利用料を値引くキャンペーンを実施すると発表した。具体的には、2005年の実績額をもとに、それを超えた分の手数料については毎月無料にするキャンペーンを7月より2006年1月まで実施する。
    (中略)
    今後の展開については「livedoor利用者では、ベストリザーブが従来フォーカスしてきたビジネス宿泊予約よりも、レジャー目的の宿泊予約ニーズが高い。そこで、今秋をめどにライブドアのサービスの1つとして、レジャー宿泊予約サイトを新たに開始する」(小野田社長)という。新規開設するレジャー宿泊予約サイトについても、今回のキャンペーンが適用されることから、「新規契約分については2006年1月まではシステム利用料は実質無料。お試しのつもりで、宿泊施設の方にはどんどん利用していただきたい」と宿泊施設の利用を呼びかけている。

    楽天「値上げ」が波紋 ネット宿泊予約の手数料(asahi.com)

    ホテルや旅館をインターネットで予約するサービスの利用が急速に伸びるなか、予約サイトで圧倒的なシェアを持つ楽天が予約手数料の値上げ方針を示したことで、業界に波紋が広がっている。ホテル・旅館の業界団体が激しく抵抗し、「値上げをしない」と宣言したライブドア系サイトとの業務提携を発表した。旅行業界におけるネット予約の存在感の大きさを示す騒動となっている。

    ●全旅連など猛反発

    発端は5月12日、楽天が運営する予約サイト「楽天トラベル」が打ち出した契約条件の変更だった。

    空室情報と価格を提供するホテル・旅館から楽天が受け取る手数料はこれまで一律6%。それを楽天は9月から、楽天向けに必ず部屋を確保して手数料を7~8%とするか、部屋は確保しない代わりに手数料を9%とするか、いずれかに切り替えるとした。

    これに対し、2万2千館が加盟する全国旅館生活衛生同業組合連合会(全旅連)や全日本シティホテル連盟が猛反発。全旅連は28日、「手数料5%を維持する」と表明したライブドア傘下のベストリザーブと、予約サイト開発などで協力することを決めた。全旅連は会員に「ベストリザーブに多くの客室を安価に登録するように」と呼びかけている。

    (後略)

    しかしこのマーケットは

    高・中級旅館・・・既存旅行代理店
    中級旅館~民宿・ペンション・・・じゃらんnet

    と、それぞれ地歩を固めた競合の牙城であり、簡単に突き崩せるものかどうかは予断を許さない。システム親和性やマーケット浸透度的には、まだしも一休が位置する高級シティホテルを狙う方が良いのではないかとも思えるのだが、ここは『格安出張予約』というブランディングが仇となり、コンシューマ・クライアント双方の確保の道のりが厳しいのだろう。

    さて、ベストリザーブはもともとビジネス特化型という一点突破のニッチ戦略を突き進んできたのだが、プレスリリースを見るかぎり、さらなるニッチ型ビジネスへの移行を図っているかにみえる。昨年のプレスではあるが、

    ベストリザーブ、宿泊予約サイト専門の検索エンジン「モノリス」を買収

    宿泊予約サイトを運営するベストリザーブは27日、宿泊予約サイト専門の検索エンジンを運営する株式会社モノリスを買収することで基本合意したと発表した。10月中にモノリスの全株式をベストリザーブが譲り受ける。買収金額は非公開。

    モノリスは、複数の宿泊予約サイトの料金比較が行なえる無料の検索エンジン「モノリス」を8月より提供している。現在、「じゃらんnet」「旅の窓口」「ベストリザーブ」「宿ぷらざ」の4サイトを対象に、エリアや宿泊日を指定して宿泊予約サービスの料金を比較できるようになっている。

    (後略)

    と、いわゆる価格比較サイトの買収により、同社はコマースサイトから、コンテンツアグリゲーターへの脱皮を図ろうとしているのではないだろうか。ここから先はネット業界に身を置く人間としての勝手な空想だけれども、クロールして収集した主要予約サイトのコンテンツを、さまざまな条件ごとにRSS配信したり、ブログやSNSのようなパーソナル・サービスにプッシュしたり、あるいは緯度経度情報の付与によるタウン情報提供や口コミマーケティング起点としたり、少なくともライブドア程度の知名度があれば、直接利益を捨てユニークユーザ数勝負に出ることは十分可能だろう。
    その上で、現状の取り次ぎビジネス=代理店モデルではなく、ASPやCRM提供で宿泊施設を直接取り込んでいけば、かつて楽天本体が成功したような固定収入=インフラビジネスへと転化する希望がみえる。媒介業、なかんずくネット上のそれはスケールメリットのはたらきやすい業界であり、圧倒的に強い楽天トラベルに勝てる道が見えない以上、違う土俵に乗った方が話が早いということだ。

    さて、一方シティホテル予約では圧倒的なコンテンツ量とブランド力を誇り、先頃IPOしたばかりでイケイケの一休.comだが、同社が急成長を続けるためには以下のいずれかが条件となる。

    ・同社のブランド力を活用できるような新規ビジネスに乗り出し、成功を収めること
    ・独壇場である、(高客単価な)シティホテルネット予約市場が今後も拡大すること

    このうち前者はあまりにも不確定な話なので、既存ビジネスに絞って話を続けることにする。
    これから一休が奪うべき市場を素人目に挙げてみると

    1:団塊世代以上のネットシフト
    2:カード会社、福利厚生サービスなどの会員制マーケット
    3:ビジネス・エグゼクティブマーケット
    4:海外顧客マーケット

    という具合だろうか。2、3についてはすでに囲い込みがされている市場なので、それこそダイナースと提携するとか法人向けプライスを仲介するという方向性にいかないかぎり、簡単に成功の目はない。4は高コスト型のまさに旅行代理店ビジネスであり、可能性があるとすると1だろう。ただしこの数年で団塊世代はリタイアの道を歩んでいくため、この5年以内に彼らのネット習熟度が増加しないかぎり、マーケットが急成長するとは考えにくい。

    個人的には、『マーケット絞り込み型戦略』で成功した企業が、継続的な拡大をするためのハードルは相当高いものになるのではないか、と、一休を見ていて思う。ニッチであるがゆえにブランド力が通用する範囲も限定的になるし、新規事業のせいで既存ブランドを傷つけるわけにはいかないため、他分野進出には慎重にならざるをえない(それで失敗した企業の代表例が、ユニクロやGAPなどのSPAだろう)。

    ならば一休が成功を収めるためには、既存顧客のARPUを高めるという戦術もある。すでにブランド・ロイヤリティーの高い顧客に対し、クレジットカード会社なみのCRMで、レレバンシーの高いサービスを売り込んでいく。もちろん、差別的な会員制度(航空会社のマイレージのように)を用いて、上位顧客により魅力的な商品をセールスしてもいい。それはクライアントであるホテルのロイヤリティーを上げることにもつながるだろう。すごく教科書的な話になるけれど、一休は焦って急拡大を志向するよりも、現状の畑を深耕することに注力する方が、よりリスクが低いのではないだろうか。ブランド志向企業は、低リスク戦略でブランド維持を心がける方が、結果的にメリットが大きい、と個人的には思う。

    次は、じゃらんnetについて。

    ■世評
    ラクテンウォーズ3 旅窓の逆襲
    宿泊予約サイト競争激化!
    ライブドアプログ
    楽天トラベル、旅館向け利用料を上げたり下げたりの件
    ライブドア系宿泊サイトの加盟急増

  • 宿泊予約サイト分析-1 ヤフーの誤算

    Date: 2005.08.13 | Category: B:マジメな話 | Response: 0

    これだけ一度にニュースがあると面白い。ネット宿泊予約業界夏の陣。

    ヤフートラベルとじゃらんの提携
    http://www.asahi.com/business/update/0802/114.html

    一休ついに上場
    http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0507/01/news108.html

    楽天トラベル値上げの波紋
    http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/07/27/8567.html

    ライブドア=ベストリザーブの巻き返し
    http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0507/25/news060.html

    この5社の予約数(室数ベース)は、推計で以下のとおり。

    サイト名 年間予約数 楽トラ比較
    楽天トラベル 11,000,000
    じゃらんnet 2,564,000 17.1%
    ヤフートラベル 1,650,000 11.0%
    一休.com 750,000 5.0%
    ベストリザーブ 600,000 4.0%

    ※楽天トラベルの年間予約数
    asahi.comより。楽天トラベルのリリース資料と、フジサンケイブログの数値より、これは「予約室数」と思われる(年間成長率20%で、最新200万人泊だと1100万人泊では小さすぎる)。
    ※じゃらんnetの年間予約数
    じゃらんの公開データにある予約人泊数より類推すると、asahi.com記事中の641万泊は「人泊」のことと思われるので、1部屋あたり2.5人と仮定して算出。
    ※ヤフートラベルの年間予約数
    asahi.comより。業界ポジション的に独断と偏見で予約室数と推定。
    ※ベストリザーブの年間予約数
    ライブドアIR資料に記載の同社売上高(=2.1億円)、公開されている手数料率(=5%)、直近の月間予約数(=7万泊)より推定。
    ※一休.comの年間予約数
    同社IR資料の宿泊事業売上高(=11.6億円)、平均室単価(=22,000円)を元に、手数料率を7%と仮定して算出。

    要するに圧倒的な市場支配力を持つ楽天トラベルに対し、ヤフー+リクルートという2・3位連合が成立してもそのシェアは3割にしかならない。一休とベストリザーブはそれぞれ5%前後。包囲網すら成り立たないという現実の前に、結局騒ぎになったものの、楽天トラベルの手数料率値上げは成功する可能性が大きい。6%を7~9%に上げるだけでざっくり平均30%の売上増が見込める。来年の決算にもある程度のインパクトを与えられるだろう。

    楽天トラベルには、それだけの市場支配力があるということを前提にして、今後の考察を進めていきたい。ただし注意して欲しいのは、売上高・取扱高ではなくあくまでも「販売室数」=「契約成立トランザクション数」ということだ(この点については別項で論考)。

    まずはネット業界の王者ヤフー。最初に同社の誤算を明らかにしておく。
    同社はJTBと組み以下の商品ラインアップを揃えた。業界No.1どうし連合という、非常に単純明快な発送だ。

    シティホテル・旅館 → JTBの通常店頭販売商品を、JTBプライスで販売(例:セレクト3000
    ビジネスホテル → JTBとの合弁会社たびゲーターによるネット商品の独自仕入れ

    一休は「高級ホテルが安い」という独自路線で成功したのだが、ヤフーは本来利益率=トランザクションあたりの売上、が高いシティホテル商品の仕入れをJTBに依拠する結果、その価格競争力がきわめて弱いという事態に陥った。価格比較をしてみれば一目瞭然なのだが、そもそも店頭販売コストを勘案して値付けされたJTB商品は、ネット上での競争力が皆無に等しい。
    ボリュームゾーンであるビジネスホテル予約は、ホテル数で旧旅の窓口→楽天トラベルに負け、価格破壊戦略をとるベストリザーブに及ばない。
    結論からいえば、インターネットによって旅行代理店業界自体が根本からプライシング・パラダイムが変革しているにもかかわらず、既存の王者JTBと組んだがゆえ、ネット専業代理店が主導する変革の波に乗れず苦しんでいるのが、今のヤフートラベルだといえよう。

    問題は提携したじゃらんの商品で、果たしてこの状況をリカバーできるかどうかだ。
    じゃらんの強みは旅館・民宿であり、好意的に評価をすればもうマーケットが伸びきっている都市部ホテル予約ではなく、今後の成長が見込まれるリゾート需要対応に舵をきったと言える。リゾート・セグメントの強みは客単価の高さであり、ネット宿泊予約という事業はトランザクションあたりの単価が業績に直結するジャンルなので、その方向性は間違いではない。ただしボリュームゾーン=都市部予約での弱さをカバーできないままの状況が続けば、当面の苦戦は免れない。顧客リテンションやARPUを上げていく方策は、やはり併せて必要だろう。

    次は、他サイトの分析をしてみることにする。

    【参考】
    ▼論考・分析
    @ネットおたく
    AWAZON
    ひでたんブログ!

    ▼ホテル側の意見
    ホテル28広島
    ホテルの布団部屋~ビジネスホテルビーエル~
    宿屋のオヤジのひとり言

    ▼世間の評判
    新聞記事・ニュース批評@ブログ
    ゆみしん徒然の書
    でも、私には「今」がある

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